時間が、経つにつれて。

 感覚がだんだんマヒしていく病気。

 伝染病じゃない、それは。

 生まれた時からの司の宿命だった。

 司の目が、見えない理由は、そのためだったし。

 最後には、呼吸の仕方も忘れちゃうんだって。

 治療法は無く。

 日本では、その病気を治そうって研究すら、されてない。

 ……そんな病気に、司はかかり。

 もう『末期』っていう。

 いつ、その呼吸が止まってもおかしくない状態に、司は、いた。

 本当は、ちゃんとした入院してた方が、絶対に良いのに。

 残された時間を病院のベットの上でなんて、過ごしたくない、なんて。

 我がままを通して、司は、生まれ育った家に。

 わたしの家の隣に帰って来てる。