「──四季…くん」
雛子の声が上ずる。四季は、忍と雛子と真白がいっぺんに顔を揃えている状況を目の当たりにして、一瞬困惑した。
数秒後、雛子を見て言葉を発する。
「良かった。高遠さん、無事で。──探した」
「……」
雛子の目が潤む。泣き崩れてしまわないように雛子は何度か瞬きして、声を発した。
「私、揺葉さんのこと傷つけたのよ。四季くん、ちょっとおかしいわ」
四季は雛子の表情を見て、怒ったように言った。
「忍を傷つけたことは怒ってる。でもそれは高遠さんがどうなってもいいというのとは違う」
「──」
「僕に怒って欲しかったの?そんな甘え方されても困る」
「……。四季くん、ひどい」
「いいよ、ひどくて」
四季の言葉は静かに響いた。雛子の目からこらえきれず涙がこぼれる。忍が硬質な声を投げた。
「四季」
それ以上は、というような制止の声だ。
四季は忍の腕の中にいる真白に目を向ける。
「…何があったの?」
忍は言いにくそうに話した。
「ちょっと…」
「とりあえず、車、出させているから乗って。──高遠さんも」
四季は真白を抱きかかえる。四季のその行動に忍も胸が痛む。
真白が本当に過去に四季の彼女だったのだ、と思って。
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