放課後、図書室でひとりで勉強をしていた木之本真白は、ふと顔を上げると窓の外はとっぷりと日が暮れていることに気がついた。
「わ、もう、こんな時間」
真白の他に勉強をしていた生徒たちは、いつのまにか帰ってしまっていた。
立ち上がると、その拍子にノートの脇に置いていた携帯を落としそうになり、真白は慌ててキャッチする。
「あっぶな…かった」
真白が心配していたのは携帯よりも、むしろ携帯についたストラップの方だった。
四季からもらったもの。何処も傷はついていなかった。
(よかった)
ほっとして、真白はストラップを撫でてみる。
四季は元気だろうか。
別れた日から、真白は四季の姿を見ていなかった。
(先輩、風邪ひいていないといいけど)
四季の周りには人が集まりやすいからか、時々四季は人目を避けて、とんでもないところで休んでいたりする。
たとえば図書室で眠っているとか。
真白は約束していない時でも、時々四季を見つけては、眠っている四季の横で自分もうとうとしたりした。
思い出すと淡い夢のような記憶のフィルム。
「…頑張ろ」
ふっと息を吐き、鞄を持って図書室を出た。
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