四季は落ち着いた声で言った。
『高遠さんが心配なら探すのが先だよ。樹は心当たりないの?』
「いや。まったく」
雛子の行きそうな場所──。高遠雛子はわかりやすい人間のようでいて、いざとなるとまったく見当もつかなかった。
四季はしばらく考えて言った。
『僕は家の近くを少し見回ってみる。もしかしたらということがあるし。いないようだったら輝谷の生徒で、高遠さんと仲が良さそうな人、あたってみる』
「ああ…。じゃあ俺は音楽科で雛子を見た奴いないかあたってみる」
『うん。じゃあ…』
「──四季」
『何?』
「ありがとう。雛子いなくなったの、俺のせいかもしれないのに」
『ううん。早く見つかるといいね』
四季はそう言って通話を終了した。樹は嘆息する。
事情を聞いていた果林が「樹」と元気づけるように言った。
「果林も探すの手伝うよ」
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