A組で決まった文化祭の企画を聞いて忍は吹き出してしまった。
「し…四季が女装…」
「何?おかしい?」
「ふふ。意外にいいかも?見てみたい」
「企画通ったら由貴も女装するとか言ってたけど」
「写真撮ろうね」
「忍、面白がってるよね?」
「ちょっと」
忍はご機嫌なようなので、四季は「まあいいか」と思うことにした。
「音楽科は何するの?」
「ん…。定期演奏会ほどきちんとした『クラシックの音楽会』にはならなくていいから、『森は生きている』を文化祭向けにアレンジするって言ってたわ。ハンドベルとか、普段使わない楽器を入れたいって言ってたけど」
「ハンドベル?あるんだ」
「丘野くんの個人のものね。見せてもらったけど本格的な感じよ」
その話をしているところで「揺葉さん」と樹が話しかけてきた。
「ひとまず定期演奏会の練習より文化祭でするものを今日中にまとめたい。揺葉さん、ハンドベルの方練習していてくれない?」
「わかった」
樹は四季にも声をかけてくる。
「四季、文化祭はクラスの方で忙しい?由貴なんかは実行委員長で走り回っているから、音楽科までの協力は無理って言っていたけど」
「僕は由貴ほどは…。何?音楽科ってピアノ弾ける人間たくさんいるんじゃないの?文化祭は出来るだけクラスメートだけでクラスの企画動かした方が良くない?」
「ところが時期が時期なんで、中間テストのピアノの課題曲で燃え尽きてる人間が多いんだよね。四季だったら仕上げるのに1ヶ月くらいかかる課題曲と、『森は生きている』みたいな難曲、同時進行で練習したりする?」
「普通はしないね。手を痛めるか精神的に参ってしまうかだね」
「でしょ?」


