時は今




「静かに」

 暴走し始める駿たちに、由貴が冷静に言う。

「これはあくまで駿の案だから。これを叩き台にしてもよし、他に全く別の案がある人は意見を出してもよし。先生たちにも通す案だから、そこは考えて意見を出して」

 顔色ひとつ変えない由貴に駿が少しばかり寂しそうにする。

「…議長」

「何?」

「怒ってる?」

「何で?怒ってないし」

「わーん!!怒ってるー!!」

「駿、元気が有り余ってるなら校庭十周走ってきて『ワン』って言っていいよ」

「しくしくしく。議長のために進行を頑張っておるのに」

「脱線しないで。時間、限られているから」

「じゃ、議長も四季くんと女装してくれる?」

「何で女装」

「面白いから」

 わくわくしながら駿が由貴を見る。というよりクラス全員が興味津々で由貴の方を見ていた。

 由貴がため息をつく。

「企画が通ったらね。とりあえずまとめて」

「いょっしゃあー!!議長、ノリが良い!!」

 駿がガッツポーズをとる。

 それを見ていた智が涼をけしかけた。

「よし、じゃあ涼は議長を苛めるオオカミをとって喰う赤ずきん役な!」

「は?」

 駿の表情が凍りつく。涼が駿をちらりと見て、淡々と言った。

「獲物その1、本田駿くんに決定」

 爆笑が起こった。



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