半泣きになっていた駿だが『お祭り騒ぎ』のような企画には本田駿のキャラは持ってこいである。
「えー、したらば、文化祭についてさくっとクラスの企画なんぞ叩き出してみたいと思いまーす。議長、よろしいですかー?」
「いいよ。続けて」
由貴は教卓の横に座り、本田駿に進行を任せている。
涼も駿のキャラはわかっているのか、何も言わなかった。
「んじゃ、さらりとイカせていただきまーす。A組の良さをイカしまして、その名も鏡の国のカフェだ!」
「はぁー???」
意味不明なことを言い始める本田駿に、クラス中からそんな声があがり、議長の由貴も目が点になる。
「何、その鏡の国のカフェって?何処がA組らしいの?」
駿は黒板にカツカツとアルファベットのAの字を書く。
「ほらほら、アルファベットのAは左右対称じゃありませんか?鏡合わせの文字みたいっしょ?BでもCでもDでもEでもFでも出来ませんことよ?」
「B、C、D、E、は上下対称にすれば鏡合わせ可能だと思うけど」
由貴がすかさず指摘すると本田駿は「違うのだ!」と豪語した。
「たとえばチューリップの絵を描いて、上下対象にしたら上下とも花か、葉かのおかしなことになろう!ところが左右対称なら、チューリップの形は崩れん!どうだ、意味がわかったか!」
「うん。わかったけど…A組だと鏡合わせの企画しなきゃいけないの?というよりそれってどんなカフェなの?」
「よくぞ聞いてくれた!そのカフェではいつもの自分が真逆の自分になってしまうのだ!」
「えー???」
駿の話を不思議そうな顔で聞いていた四季が質問した。
「それって男子が女子になったり、女子が男子になったりするってこと?」
「それもアリだ!はははは、綾川四季くんは女装決定!」
「えー?」
四季が困ったように声をあげ、意味不明な駿の進行に白けていた今までの空気がそれで一転する。
恭介が笑う。
「じゃあ、駿はエロエネルギー枯渇したおじいちゃん役な」
「なにぉぉおおぉう!?そんなら黒木くんはリンボーダンスで踊らせたるわい!!」
「何だとコラ」


