人を好きになる時の気持ちは特別。
特別な「好き」は、どんな言葉でも、想いの全部を言い表すのは不可能な気がする。
この「好き」が何処から来るのか、何故こんなに好きなのか、わからなくなってしまうくらいに。
中間テストの答案用紙を全部返されて、成績上位の生徒たちは席次を気にしはじめる。
総合点で既にだいたいの席次はわかるのだが。
四季は総合点を計算して「こんなものかな」と思った。
「四季、お前総合いくら?」
黒木恭介が聞いてくる。
「452点。黒木くんは?」
「450点。──お前、本当に数学以外は強いのな」
5教科500点満点で450点以上の生徒は、大体上位15位内なのである。
四季は入院中のことをふっと思い出した。
「入院している間、ピアノ弾けなかったから、体調いい時は本ばかり読んでたから」
「本ってどういうやつ?」
「身体に関するものとか、地理とか歴史とか、語学とか…いろいろ。それで学校の教科書に目を通してみたら、わかりやすくなってて…本を読んでいたのが良かったんだと思う」
「へぇ…」
恭介と四季が話していると、本田駿が「由貴の鬼ー!」と叫びながらやって来た。
「聞いた?綾川由貴くんの総合点。480点よ?どんだけよ、あの人」
「涼ちゃん、477点て言ってたよ」
四季が苦笑しながら言うと、本田駿はへなへなとその場に座り込む。
「何なの、あの人達。頑張っても勝てる気しないのは気のせいですか?」
「確かに由貴と桜沢さんはちょっと俺らとはレベルが違う気するよな」


