時は今




「──…き」





 声。

「四季」

 目を開けると忍が心配そうに覗き込んでいた。

「忍…」

 起き上がった四季を見て、忍はほっとしたように言った。

「私達、みんな眠り込んでしまったみたいなの。私は智と話していたら急に眠くなって」

 ──私はいつ眠りに落ちたのか覚えてない、と智。

 ──もう眠っていましたからねぇ、と隆史。

 ──意識なくなる前、四季に支えてもらったのは覚えてる、と由貴。

 ──会長が意識なくなるの見て眠くなった、と涼。

「四季は?」

 問われて、四季は答えた。

「僕は──最後まで起きてた。みんなが眠り込んでいるのも見た」

「何か、理由知らない?」

 四季は忍を見つめた。

「知ってる。教えてくれた人がいる。でも、待って。夢だったのか、本当のことだったのか、確認させて」

 ノートでのやりとりはあとが残らないようにと静和が消してくれた。確かな記録はやりとりをしていた時の記憶だけ。

 でもその記憶が本当なら。

 立ち上がると、楽譜の並べられている棚に歩み寄る。

 最下段から二番目の棚の楽譜を全部取り出して棚を覗き込んだ。

 棚の後ろに手を回し、叩いてみる。パチっと音がして、棚の奥の板がずれた。

 その板をゆっくり剥がす。一通の封書が出てきた。

(ああ…)

 四季の中で、本当だったのだ、という想いが込み上げてきた。

「四季、それは…?」

「静和さんに教えてもらった」

 忍は瞠目する。四季は忍にそれを渡した。

「忍に。静和さんから」