大きくとられた窓からの光で、白とレンガ色のリビングはほどよく明るい。
照明は天井からつるされた電球だけを点けた。
コンビニで車から降りた四季だったが、結局四季だけは何も買わなかった。
おにぎりだけは作ってきたからそれを食べるという。
「料亭『高綾』の跡取りとは思えんくらい庶民的なごはんだな?」
「僕が跡取りかはわからないよ」
「そうなの?」
でもこのおにぎり旨い、と智が四季の持ってきたおにぎりにがっついている。
コンビニのサンドイッチでは足りなかったらしい。
「これが梅、これがおかか…。吉野さん、気持ちいいくらい食べるね。僕、三合分のおにぎり作ったはずなんだけど」
「目の前に旨いものがあるのに喰わん奴があるか!感心してねーで四季も食え!」
「うん」
由貴が「これも食べて」と揚げ物を四季にすすめた。
由貴は由貴でエビフライや野菜の天ぷらを揚げてきたらしい。
忍はサラダと四季の持ってきたおにぎりを食べている。涼はいちごミルクの飲料とフレンチトースト。
「涼、それだけで足りる?」
食べる量が四季並みに少ない。由貴は心配になる。涼も四季も何を食べて生きているんだろうか。
「うん」とおとなしく答える涼に隆史が苦笑した。
「由貴くんは右にも左にも少食な子抱えて大変ですねぇ」
「大変っていうか…俺が大変なわけじゃないんだけど。でも俺が涼とか四季の代わりに食べられるわけじゃないし」


