白い漆喰の壁に、あたたかみのある茶のムク材の家具が配置された室内。ぐるりと見回して智が感激した。
「うわ…。すごい雰囲気良くねぇ?」
「いいところですねぇ」
隆史もそれに相槌を打ち、涼が言った。
「音楽のレッスン用に硝子ちゃんが解放してくれている場所なの」
四季の目はグランドピアノのところでとまっている。それも。
「すごい。ピアノ2台?」
「四季くん、絶対喜ぶと思ったの」
「喜ぶよ。何これ」
「楽譜あるから、試験勉強終わってからピアノ弾こうね」
涼の言葉に四季が嬉しそうに頷いた。忍はその四季の表情を見て嬉しそうだ。
「忍、知ってて言わなかったの?」
「ふふ。四季がびっくりするの見たかったの」
「だから涼ちゃんが行き先にここを挙げてくれたんだ」
「うん。…ごはんにしようか?」
天然素材でつくられた室内に忍の飾り気のない白いシャツが馴染んでいる。
以前、休日の小学校の音楽室で会った時も忍はこういう服を着ていた。
美人なのだが、こういう素朴さがふわりと似合うのが揺葉忍なのだ。


