「あの…先輩、小野田先輩から聞いたんですけど」

「前の学校の話?」

「…はい。一回戦勝ち上がったらそこと当たるって聞きました」


先輩の前の学校もまた強豪チームで、全国大会の常連校。

明日のインターハイももちろん出場する。

しかも運が悪いことに早くも二回戦で戦うことになる。


「大丈夫だよ。そんな顔すんなって」

「でも…」

「葵が側にいてくれんだろ?」


先輩は私の顔を覗き込んでニヤッと笑った。

突然のことで胸がドキッと高鳴る。


「ハハッ!顔真っ赤」

「もう!先輩の馬鹿!」


本気で心配してるのに…