猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した



更には流水で丸まった白石だらけ。車輪がひきつけを起こしたかのように何度も軋み鳴いた。


「おい、こんな場所を……!」


少なくとも馬車が走れる場所ではない。

車両だけが震度六の揺れを受けているほどに、それこそ暴れ馬がごとく乗るもの全てを振り落とそうとしていた。


これで中に乗っていたことを思うとゾッとできる。これ以上持たないと悟ったルカは馬車から飛び降りた。


スピードは馬車の足場からしてぐんと下がったが、三点着地をしても石の固さが接触点にダメージを与えた。顔を歪める程度の痛みにしても――すぐに見た光景により唖然としてしまった。


「よっとーっ」


かけ声と共に手綱を離したエレナが馬車と馬を固定させる二本の長柄(棒)を所持していた大剣で切った。