二射目の矢をまた弾いたあとに、装填のためボウガンを引っ込めた輩に――ルカも飛び道具で迎撃した。
ナイフ。
投擲用のそれは中距離程度しか飛ばないが、スピード出す馬車の上から投げれば、気流に乗ってより遠くより速く飛ぶことだろう。
投げられたナイフは迅速に。狙った箇所から大きく外れたが、人ではなく馬に当たれば問題などなかった。
痛みにより、馬が前足を高く上げた。振り落とされた騎手ら、危険視一人が排除され、もう一人の射手が焦るように爪金を引いた。
速く始末しなければ返り討ちに合うとでも焦ったか、矢はルカに当たらず明後日の方へ。
ボウガンにとって、一度のミスが致命的だった。わざわざ矢を打つ度に装填しなければならないのだから。


