猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した



後の不利益としては飛び道具だが、こちらも問題なくルカは対応してみた。


パラッシュを抜き、こちらに飛んでくる矢を弾いた。なんたる、神業か。いくら狙いが定まりきれていない矢でも、弓矢よりも速く強化されたボウガン矢を見切れる目を持とうとは。


「おー、ルカ様すごーい」


実際に見たわけではないが、甲高い音色を上げたパラッシュから何があったかなど想像に難くない。


「でもでもー、防ぐだけなら意味ないですよー。ただかっこつけたいだけなら戻ってくださーい」


「戦いの上で体裁など二の次だ」


つまりは余計な口出し。ルカとてかっこつけるために身を晒したわけではない。


残り六頭の馬。
ボウガンを構える二人は未だに健在で、真っ先に処理すべきはこいつらだった。