猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した



やっぱやめたーとエレナが空に吐く。


「守護者に決まったとは、時期に王が代わるのか?」


「みたいですねー。王様候補の10人はもう決まったし、守護者も決まったとしたら、近々ですよー。あ、エレナがつく人なんですけど、一番アリに近い人らしいんですよ。

頭も良くて、強くて、人望も厚いし、小さい時から王の器とか言われていたみたいでー。エレナが守護する人が王になったら、エレナの名誉って言うかー、なってくれないかなー」


一番アリに近いとは、王様候補の中でも有力株なのだろう。その守護者に選ばれたエレナはそれ相応の器ともなるが――何よりもルカが気にしたのは、王が近々に代わるということだ。


同盟を組もうと述べた輩が玉座から立つなんておかしく思えた。