ある部活帰り。
私はいつものように
拓と帰っていた。

「愛。ニュース!ニュース!」
「何?」

拓はニュースを手に入れると
目を輝かせて話す。
今日は一段と目が輝いてる。
そうとうすごい情報みたい。

「瀬川が時澤のこと好きだって!」
「まじで?!」

瀬川は男子テニス部の子。
拓と仲が良い。

「今日自分で言ってた。
俺時澤好きかもって!」

さすがはマリア。
モテモテだ。
マリアは自分では気付いてないみたいだけど
マリアはすっごくモテている。
最近、マリアかわいくなったから
学年一モテモテの柏田杏奈もぬかしてるんじゃないかな?
いいな~。モテモテって・・・。

「その話岸本もきいてて
確かに時澤かわいいよなって言ってた!」
「きゃー!マリアすごーい!」

あの岸本にも好きっていってもらえるなんて
マリアはやっぱりすごい。
岸本は学年で一番モテモテな男子。
周りの友達はみんな岸本ねらいだ。
私も正直岸本は良いと思う。
マリアもそう言ってた。

「さすがはマリアね~。
尊敬しちゃう!」
「だな!けっこうかわいいし!
性格いいし!
テニス上手いし!
頭は微妙だけど
そこがまたかわいんだよな~」
「・・・。」

なにをいっているの?拓。
あんたの彼女は私よ?
もしかしてマリアが好きなの?
マリアに彼氏がいるってこと知ってて好きなの?
拓がそんなに女の子をほめているとこみたことない。
やっぱりすきなのかな?
どうしよう・・・。
私ふられちゃう?

「そうだね・・・。」

私は今の私の精一杯の笑顔で言った。
もうがまんの限界。
私は家に帰るとすぐさま携帯を開いた。
そして新規メールを作成した。
送る人は私と仲が良く
拓との相談にものってくれた恋のキューピッド
千香。

『聞いてよぉ~<(_ _)>
拓がマリアのことすっごくほめてた・・・。
好きなのかな?』

これ以上かくと涙があふれてきそうだったから
途中で止めた。
するとすぐに返事が返ってきた。

『気にしない方が良いと思う!
拓は昔からそういう奴!
大丈夫!
拓はまだ愛が好きだって!』

千香の励ましのメール。
私はありがとうの一言を打って
携帯を閉めた。