朝いつもより一時間早い待ち合わせ、
小想と一緒の時間も一時間多いのかな?


「 おはよう! 」


小想の声は天使のささやき。
いつもつけていない髪には大きなリボンがついていた。


「 かわいい!! 」


思わず口にしてしまった。
小想はテレ笑いをしながら歩き出した。


まだ誰もきていない校舎。
二人が出会った生物室前の廊下。

小想が黙ったまま壁によりかかった。


「 空舞くん、
今日卒業だね。おめでとう!
二人が制服でいるのも今日が最後だね…。 」


小想はオレの後ろにまわり、
背中からオレを抱きしめて。


「 毎日会えなくても私の体温忘れないで! 」


最後の方は泣いてる感じがした。
オレからはなれて
オレの前に立ち
ニッコリ笑ってくれて、かわいいなぁと思っていると

少し背伸びをしてオレにキスをしてくれた。


「 いつまでも、
空舞くんの彼女は小想だってことを
ここに記憶させたからね。 」


二人のファーストキス!

小想とひとつひとつ階段をのぼっていくんだ。





end