「...あのさ、」

静かに、俺の声があたりに響いた。

「許されることのない罪を犯した俺に言う資格はないのかもしれないけど、俺、美紀と智香と啓太のこと、


すっげー、あいしてる。」

真っ直ぐ、真剣な表情で前を見つめさらに続けた。


「俺のためにも、お前らの為にも、ちゃんと償うから。俺頑張るから...次会った時は、昔みたいに、また、4人で遊びたい。」

「...真咲、」

「それまでは俺、啓太と頑張るよ。コイツ、ずっと俺のそばにいてくれるみたいだし。」

「真咲っ、」

震えた声で俺の名前を呼ぶ啓太を見ると、泣いていた。思わず苦笑する。「何泣いてンだよ。」「ッ、...ばかやろ、」「....それ、は、啓太だろ!泣くなよ!」俺の頬にも涙が伝う。もらい泣きとか、かっこわるい。


「う、ぅ、」「だッ、から、泣くなって。」「だって、お前ッ、」「あー、もう。ほら、行くぞ。」そう言うと更に泣き出した。「啓太、なんで泣くんだよ。」困ったような表情で彼を見れば、嗚咽をあげながら話し出す。

「やッ、ぱ、警察、いくん、だろ。」

「ああ。一生、刑務所からでられないかもしれないけどな。」「っ、」「...大丈夫。さっき啓太も言ってただろ。俺達は、どんなに離れていてもずっと友達だって。」「...、あ、ぁ。そ、だな。」

啓太は涙を袖で乱暴にぬぐい、無理やり笑顔を作った。




「真咲。」「ん?」「もし、」「うん。」「お前が、一生刑務所から出られなくなっても、」「うん。」「俺が、助けてやるよ。」「...どうやって。」「俺、弁護士になるよ。」「...。」


どうしてそこまで俺の為に尽くしてくれるんだろう。不思議でしょうがなかった。啓太の未来を俺のせいで潰したくない。否定しようと口を開いたとき、啓太は俺を力強く抱きしめた。


「馬鹿だなー真咲は。」「...。」「言っただろ。俺、ずっと傍にいるって。」「...俺は人殺しだ。」「でもそれは、真咲の本当の意思でしたことじゃない。」「...っ、馬鹿は啓太だ。」「うん、馬鹿かもな。」「...。」


「俺の人生は俺が決める。だから真咲は何も気にするなよ。したくてしてるんだからさ!」