啓太が、泣いてる?


頭で理解する前に、２人にトン、と肩をおされた。ぐらりと傾く体。足元に穴があき、そのまま下へと落ちていく。

『行ってらっしゃい、真咲。』

だんだんと遠くなっていく２人を見ながら俺は涙を腕で拭った。不思議と心が軽くなったような気がする。

決して許されることのない罪を犯した俺の未来は明るいものじゃないと思う。けど、もう、逃げない。だって俺は１人じゃない。だから大丈夫。前を見よう、ちゃんと、まっすぐ、進まなきゃ。












静かに瞳を綴じ、もう一度ありがとうと呟いた。