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「佐藤って男だろ?なんで髪伸ばしてんの?きもちわりぃー。」

真咲は同級生にからかわれるようになった。女子の間でも良いうわさは耳にしない。日に日に女の子らしくなっていく真咲を見ているあたしも正直辛かったけど、けして見捨てることはしなかった。

「智香、佐藤君なんかといないでこっちで一緒に遊ぼうよー。」

一年前までは真咲と仲良くなろうと必死だったクセに、なんなのよこの変わりよう。「遠慮しとく。真咲、いこ。」苛立ったあたしは立ち上がる。次の授業のために理科室に移動しなくてはならない。

あたしの様子を納得いかないような目で見ている女子に気づかないふりをして真咲と一緒に教室をでた。


「智香、いいの?」

真咲が心配そうな顔であたしを見る。「いいの。あたしは真咲のほうが大事なんだから。」そう言えば真咲は恥ずかしそうに笑った。

その後無事に授業を終えて教室に戻った時だった、黒板を見て固まる。

あたしと真咲の暴言と相合傘が書かれていた。あたしと真咲を見てクスクスと笑うクラスメイト。...気分が悪い。「テ、メェ、ら、」低い声で真咲が何かを言っていたけど聞き取れなかった。


泣きそうになったけどぐっとこらえて、黒板消しで文字を消していく。真咲はブツブツ何かを言った後、溜息をつきながらも消すのを手伝ってくれた。