お仕置きゲーム。



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目の前の白いベッドで智香は眠っていた。智香の家族には 病院の階段から落ちて、頭をうって気絶した。脳に異常がないか確かめる為、暫く検査入院をする事になった と伝えたらしい。先程まで大勢の人間が立ち入りしていた。鬱陶しい。


「智香。」

智香の母親はいまだに気絶している娘の手をぎゅ、っと握り切ない声で名前を呼んでいる。「智香、早く目を覚まして、智香。」ただ気絶しているだけなのに、どうしてそこまで情けない表情をするのだろう。俺は溜息を一つついてから時計に視線を向ける。面会時間終了まであと3時間か。


...長い。



真咲、何時まで黙ってる気だよ。仕方なく真咲に語りかける。(...)返事くらいしろよ。(...マサキ、)「ん。」(わかんないの。)「...。」


(、わかんないの。全部。いくら考えても、何もわかんないの。私、智香が好きだった。親友だと思ってた。なのにね、今は智香のことなんとも思わないの。消えちゃえって思っちゃうの。)「...嬉しい。」(え?)俺は布団の中で身をまるめて、ぽつりと呟いた。「それ、嫉妬だろ。」(...。そう、かも。)「~っ」ああどうしよう。好きだ、好き過ぎて苦しい。言葉にならない。ギュー、と胸の奥が締め付けられてる。苦しい、でも、愛しい。


護りたい。真咲をすべてのものから、遠ざけたい。「...。」少し息苦しくなって、布団からちょっとだけ顔をだした時だった。目の前に、知らない奴のドアップがある。「ッッッ!?」驚いて、俺は固まった。


「おかーさん!真咲ちゃん起きてるよ!」

「あら、起きたの?」「うん。おはよう、真咲ちゃん。」にっこり笑う。「...オハヨウ。」


(侑里乃ちゃんだ。)「侑里乃?」(智香の妹。)聞いたことある気がする。