「友達だから、俺もお前と同じ気持ちなんだよ。」
「...。」
「真咲がなんて言おうと、俺は、お前の傍にいるからな。」
真っ直ぐ、真剣な眼差しではっきりと告げる啓太を突き放す事ができなかった。思わず視線を泳がせ、「なんだよ、それ、」と呟くと啓太は「ははっ、」と笑う。
「啓太、」
「ん?」
「正直、警察に捕まるのは、時間の問題だと思う。」
「そうだな。」
「俺はきっと、殺される。」
「...させないよ。」
「気持ちは嬉しいけど、啓太には無理だ。」
「...なんでそんなこというんだよ。」
「事実だからだ。」
啓太は口を閉じ、震える瞳で俺を見た。
「...未来がどうなるかなんて、誰にもわからないだろ。」
「そうだな。」
「だから、そんなこと言うなよ。」
「...あァ。」
俺は表情を緩め、そうだな。と言う。今の啓太には何を言っても無駄だと感じた。

