「あの…マリア…そろそろ足から降りて…」


「ん?

血でも吸いたいのか?」

マリアが言う。

「いや…そうじゃないけど…」

幸大が言う。

「幸大がしてほしいことなら何でもするぞ?」

マリアが言う。

「今は特にないけど…」

「そうか。」

マリアが言う。

「朱鳥…そろそろ離れて…」


「何?

もしかして、血を吸いたい?

学校なんだから少しだけよ?」

朱鳥が言う。

「そうじゃないけど…」


「そう?

何かしてほしいことがあったら言いなさいよ?」

「ああ…。」

幸大が言う。





午後


放課後まで学校祭の準備に割り当てられている授業。


「まったく…さっきの屋上での姿からは想像できないわよね…」

姫野が今までに見たことがないくらいテキパキと仕事をこなすマリアと朱鳥を見ながら言う。


「恋をすると人は変わるって言うもの…」

優衣が優しそうに言う。

「先生としては嬉しいけど…

うぅ〜」

優衣がハンカチを噛みながら泣く。


「幸大君〜」

クーニャが言う。


「ん?」

「今から衣装に使う生地を買いに行くんだけど一緒に行ってくれない?」

クーニャが言う。

「ああ、良いぞ。」

幸大が言う。

「クラス全員分だから男手が必要なんだよねぇ〜」

クーニャが言う。