「お帰りない、拓斗さん!」
玄関で靴を脱ぎ終わった拓斗さんは、私の顔を見て少しだけ目を細めた。
たった1週間。
「お帰りなさい!拓斗さんっ」
然れど1週間。
1週間の拓斗さんはやっぱり格好良くて素敵で本当に大好き。
「あぁ、ただいま」
「お帰りなさい、です」
「何回お帰りなさいを言うんだ?」
どうしよう。
今、言った方がいいのかな?
「あの、拓斗さん。実はですね…?」
妊娠している事が出張中に発覚しました!という言葉は浮かぶのに、なかなか声が喉を通ろうとはしない。
「何かあったのか?」
「あの」
「いや、何もないならいいが」