「優子、頑張れ」

「はい」





そう言ってから拓斗さんは力を緩めると私の顔を覗き込み、ゆっくりとゆっくりと目を細めて微笑む。


そんな拓斗さんの顔を見ていると何故だかボロボロと涙が溢れてきて、拓斗さんの笑顔はすぐに途絶えてしまった。





「痛いのか?」

「ち、が。嬉しくて」





もうすぐ赤ちゃんに会えると思う喜びと、いつになく余裕がない拓斗さんが私に見せてくれた笑顔に色んな想いが溢れてく。


勿論、その中には嬉しさだけではない気持ちも含まれている。


その中には出産への怖さも。





「幸せだから…」





今がとても幸せだから怖いと思ってしまう。


そんな私の気持ちを知ってか知らずか拓斗さんは宥めるように私の背中をぽんぽんと。