「これくらい自分で出来る。優子と結婚するまで長い間一人暮らししてたんだ」

「そうじゃなくて!今日くらいゆっくりしてほしいので私がしたい…、です」





明日拓斗さんは出張に行ってしまう。


それも1週間の間遠く離れたロシアへ。


ロシアなんて行った事のない私は、ロシアは寒くてボルシチが美味しい国というくらいしか知らない。


そして何より1週間も拓斗さんに会えないなんて耐えられない…





「それは優子の方だろ?」

「えっ、私はロシアに行かないですよ」

「違う。俺にはこうして休みがあるが、優子は休みなく毎日毎日家事を熟してくれてる。今日くらい休んでもいいだろ?」





そんな事…、それを言うなら拓斗さんの方が私の何倍も、ううん、何十倍も比べられない程働いている。