口を押さえながらバタバタとスリッパを鳴らしリビングを飛び出す。


向かう先はトイレ。


胃に入れたばかりのサラダが胃液と共に胃から思いっきり出てくる。


身体が調子が悪いから吐くのではなく。


この吐き気は妊娠の付き物悪阻から。


栄養を取ろうと思っているのに中々いう事を聞いてくれないこの身体。


悪阻は悪い物ではない。


だから我慢しなければいけないのに…


トイレから帰ってきた私に対し大丈夫か、の言葉すらかけてくれない夫。


ちょっと!


ソファーに寝転びゴロゴロと野球中継に熱してないで気遣ってよ。


貴方との赤ちゃんなんだから――…





「あっ」





ピッという音と共にプッっとテレビの画面が突然暗くなった。