「俺には資格がない。すまないがそんな俺は優子を母親にしてやれない」
「そんな事ないです…」
こんな拓斗さんは初めて見る。
いつもは意見をはっきり言い、一つ一つの言葉に物凄く力を感じるのに、
「――俺は子供が嫌いだ」
けれど、今は違う。
拓斗さんから出てくる言葉に全く力も自信に満ちてる感も感じない。
「この世で一番嫌いなんだ」
「嘘です」
「嘘な訳がないだろう」
なんで嘘をつくの?
拓斗さんは子供好きだって事を私は知っているのに…
子供好きだと言えるのは、以前一緒にテレビを見ていた時に映る子役の子を見てすっごく優しそうな目をしていた。
本当に嫌いならあの目は出来ないはずで…