最後に、私の口の端に残ったチョコを拭って、克幸は満足げに笑った。 その笑顔に胸がギュッと苦しくなったけど、そんな事教えてやるもんか――― 人生初の、渡す側のバレンタインに私はそう強く思ったのだった。 ハッピーバレンタイン? 終わり