「怖かった…でも、お母さんがお父さんの意見を押し切って…産んでくれた」
本当に嬉しそうに笑う綾
でも、すぐに顔が曇る
「産んでくれたの…自分の命と引き替えに…」
「それって…」
お母さん…亡くなったってこと?
綾は小さく一回頷いて、俺の疑問を肯定する
「私達は産まれた…でも、愛していたお母さんを失ったお父さんは、嘆き悲しんだ」
そこで、一息置いて綾が言った衝撃の言葉
「お父さんは悲しみのあまりに…私より後に産まれた妹を憎んだ…妹が産まれた瞬間息を引き取ったお母さんを見て、妹を"悪魔"だと言い…殺した」
「殺…した?」
自分の子供を?
愛する人が、自分の命と引き替えに産んだ我が子を?
信じられなかった


