家に着く
綾を追いかけたはずなのに、綾に追い付くことはなかった
ちゃんと、帰れたのか?
「…ただいま」
静かに家に入る
シーンとする部屋
一瞬誰も居ないのかと思ったが、綾がリビングのソファーに体育座りしていた
ちゃんと帰って来れたんだ…
よかった…
ホッと安心した気持ちを、今度は引き締める
そして、綾のいるソファーの前に座る
「…綾、ごめん」
俺が言うと、綾がピクリと反応をした
でも、顔は上げない
「綾に言われて気付いたよ…自分がどれだけ最低だったか」
綾に向かって懺悔を続けていると、顔を上げずに綾が喋った
「私も…言い過ぎたの…ごめんなさい」
その声は、涙に濡れていた


