「家に着いたか?」
あれから1時間経っている
少し迷ったとしても、家に着いてるころだ
…ちゃんと帰れてればの話だが
『え…?んー……うん、着いた』
嘘だ
絶対嘘だ
家にいるのになんで海の音が聞こえるんだ?!
家の近くに海なんてないぞ?!
海に行くには電車2駅分の距離があるぞ?!
「…正直に言え」
『………わかんない。ココどこだろ』
やっぱり一人で帰すんじゃなかった
「そこを一歩も動くな!行くから!」
『え、いいよ。帰れるもん!!女の子と一緒なんでしょ?!放置しちゃ駄目!』
帰れるもんじゃねーよ
帰れてねぇーから言ってんのに
「待ってろ!動くな!」
それだけ言って、一方的に通話を切った


