「颯太…」
涙が少し落ち着いた綾乃が俺に抱きつきながら言う
「私の…名前を呼んで?」
「え?綾乃…?」
さっきからずっと呼んでるのに…どーしたんだろう?
「もっと…」
「…?綾乃」
「もっと…」
「…綾乃」
何回か綾乃に言われるまま名前を呼び続ける
すると、ようやく綾乃が満足したみたいに顔をあげた
「ずっとね…呼んで欲しかったの…颯太の声で"綾乃"って」
今まで見たことが無いくらい満足に満ちた笑顔の綾乃が目の前にいる
「今、私すごく幸せだよ?」
そして、今まで見たことが無いくらいの笑顔で俺に笑いかけてくる


