「奥様は、宣告された余命より2ヶ月も長くその命を保ちました…そして、癌に蝕まれた体では無理だと言われた出産さえやってのけたんです」
子を思う力
夫を想う力
それが、母を強くした
「そして、余命を過ぎていたにも関わらず力強く命を燃やしていた奥様は、出産を終えると自分の役目を終えたように…息を引き取った」
「嘘だ…嘘だ…」
嘘だと何度も呟きながら、力なくその場にしゃがむ社長
「2人がお腹の中にいたから奥様は癌と戦えた。そして、2人がいたから奥様はあの時まで…命を燃やせた」
もしかしたら、2人が宿っていなければ…もっと早くに命の灯火が消えていたのかもしれない
母は強い


