「旦那様…奥様は、末期癌だったんです。見つかった時にはもう手遅れで…余命も僅か6ヶ月を宣告された」
「う、嘘だ!私はそんな話知らない」
「奥様が主治医に口止めをしたそうです。その時に既に妊娠をしていた奥様は、癌のことを知れば旦那様が中絶をして治療を薦めると分かっていた…だから、言わなかったんです」
尚も話を続ける先生
社長も怒りを剥き出しにしながらも聞いている
「治療しても治らないと分かっていた奥様は、旦那様に子供を残す決意をしたんです」
「な…んだと?」
癌だから弱っていく奥様を心配した社長は、中絶を提案した
だが、奥様はそれを断固拒否した…
残される愛する夫への
命をかけた最後の贈り物のために


