結婚式まで後一時間。

 時刻は14時。式は15時。

 間に合わないぜラッキー!と嬉しそうにスキップする狼狽の頭を肘鉄が襲った。


 「うべばっ!あにしああんあ(何 しやがんだ)」


 涙目で振り返れば、普段の笑みは何処へやら。不安そうな静がそこに居た。


 「…椿ちゃんは何処?」

 キレているのは目に見えていた。

 お前のせいで舌噛んだじゃねーかと言ってもきっと無視されるので止めにした狼狽が、腕時計を見る。