麗は砂音の代わりに、静を怒らせる道を選んだ。
だって、砂音が苦しんでいるのを知ったから。
後悔しているけど、謝れなくて苦しいのを知ったから。
一卵性双生児というものはいいことばかりではない。
だって、こんなにも麗(砂音)の感情が流れ込んでくるのだから。
腕を組み二人を見下ろす静の瞳は、まるで感情がない。
椿には絶対見せないであろう冷たい瞳。
「…ま、まって!シズカくんごめんなさい!ユウが謝るから怒らないで!お願い」
謝らなければならないのは麗と砂音だと言うのに。
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