「静くんなんか嫌いだ!家族になんかなりたくない!」 砂音は拳を握り、怒鳴った。 その声は新婦様控え室と書かれた扉の前の廊下に良く響き、周囲のスタッフ達の視線を浴びることとなった。どう見ても内輪もめ。この結婚無しになるのか?と好奇の視線が向けられる。 「静くん全然優しくない!」 砂音の言葉に静が立ち上がった。 静が怖いのか砂音が目を硬く瞑る。 「ふーん…で?だから、何?」