「おまえがあっち行けよ!」

 「アキラが行ってよ!」


 一つの椅子。

 正しくは結姫の隣を巡って取っ組み合いを始めた少年二人に雷が落ちた。


 「うるさい」

 雷ほど大きな音でも、衝撃でもない。

 ただ、この男、静(しずか)の迫力と威力は雷とそう変わらない。

 
「今日は椿ちゃんの晴れ舞台なんだから。二人とも騒ぐと…潰すよ?」


 え…となる二人の横を通り過ぎ、結姫(ゆうひ)の横に座った白いスーツ姿の静。