皇子と私



「お前の手につくだろ……離せ。」

「ごめん…………ごめんね………佐喜…………」


私のせい………私のせいで佐喜が怪我をしたんだ……………




「亜美………お前のせいじゃない」

「う…………佐喜は私を助けてくれるのに………私は何もできない…………」


「………してくれてるよ……十分」

「うぅ…うぅー…」


私は自分の泣き声で佐喜がなんと言ったのか全く聞こえなかった。