“いつもの”が無い千梨の為に、私は自分のイスの隣に新しいイスを置いた。


『千梨、座りなよ』


『あ…ありがとう連香』


『“連香”ぁ?キサマごときがオレの娘を呼び捨てにするなんて……っ!!』


『連右!ご飯前に見苦しいわよ!!』


お母さんに怒られた……?お父さんは、仏頂面で晩ご飯を食べだしたのだった。


「あの…やっぱり千梨さんはダメですか?」


紀右、あきらめてなかったんかい………


「千梨、紀右もこう呼ばせていい?」


左隣の千梨は、青ざめた顔で“ああ”と一言だけ答えた。


ん~~?どうしたんだろ?