カサカサと草が触れ合う音が聞こえて、お弁当に向けていた視線をちょっとだけ上に上げた。


視界の上半分に、ローファーが入り込む。


え……っ?誰か来た………?


口に残っていた卵焼きをゴクンと飲み込み、顔を完全に上げた。




「――――ウマそうな弁当、食べてるじゃん…………?“幹居さん”?」




ポケットに両手を突っ込み、ジッとこちらを見ていたのは……男の子だった。


174か5cmはありそうな身長。


整えられたマユゲの下には、長いマツゲがいっぱいの切れ長の目。


鼻はスッと高く、キレイな赤色の唇。