LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

「偶然…ですね;;」



あの時、ハンカチを借りる際に手が触れて、ドキドキした。

恋したとかではなく、家族やエリック。

身近な人の他に、男性の肌に触れた事がなかったから。



「本当だな。ずっと気になってた。名前すら聞けなかったし」



「泰樹の初恋だもんな!現在進行形!(笑)」



「馬鹿――ッ!!;;」



話に口を挟んで来た里中君に注意をする将希君と、頭を叩いた千景。

…“初恋”…。

私なんかに、どうして。

現在進行形って言われても。

嬉しい半面、あの頃の私を好きだとするなら、もう別の恋を探して欲しい。