LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

聖美とキョトンとした顔で見合ってると、エリックが呼吸を荒しながら現れた。

走って来たんだろうか。



「んだよ…っ。親父と迎えに行ったのに、居るじゃねぇか…;;」



制服のネクタイを、緩めに緩めたエリックは、私の正面に来て、紙袋を差し出した。



「親父から」



「…私に?」



紙袋の中身は、グレーのカーディガンと二つ折りのメモ。

【倒れた時、カーディガンが担架に引っ掛かって、解れたんだろ?真樹子さんから新しいの渡すの頼まれてたけど、忘れてた。ごめんな。エリックとお揃いなのも、ごめんな!笑】

…おじさん…。

サイズもワンサイズ、大きいよ…?(笑)