父親に肩車された、5才位のエリック。

お互いに楽しそうな笑顔。



「わかりやすいなぁ…」



確かこの日は、おじさんが足を怪我して入院して。

泣いてたエリックを慰めようと、肩車してあげて、町内を散歩した。

私もして欲しかったけど、“しばらくは、エリックのパパになるんだ。だから、咲恵子は夜にな?”って。

どっちが実子かわからない1週間を過ごした。

懐かしくて、笑みが溢れるのに。

あの時は、涙を溢してた。

――エリックは、覚えてるかな?

あの日々を。

私はね、ずっと忘れないと思うよ。