サッコの小さい手を握ると、温かさが心に響く。

本当、こいつはどれだけの出来事を、1人で見て、感じて居たのか。

頑張ったんだよな。

耐えて、乗り越えて。



「強いな。サッコは…っ」



俺が居なくても。

転んだら、すぐ助けを求めて来たくせに。

俺より先に、大人になってんじゃねぇよ。



「エリック…。泣いてたら、サッコに笑われるぞ…?」



親父が言っても、説得力ないし。

慰めにならない。

――サッコは俺を、どう思ってるだろうか。

俺はずっと、お前が大切で。

きっともう、サッコの前から居なくならない。