母親のデカイ声が響く。

しかし、サッコが顔を歪め、起きそうになった為、おばさんと病室を出て行った。



「咲恵子…お父さんがわかるか…?」



「パパ…、エリック…もう来ないの…?エリックと…遊ぶの…」



「咲恵子…っ」



寝惚けてるのか。

きっと、俺が引っ越した後の夢を見てるとわかる。

おじさんがサッコの頭を撫でると、また目を閉じた。



「…サッコ…」



…ごめんな…。

俺が離れなければ、違った人生を歩めただろうに。

1人で苦しみも悲しみも、受け止めてたんだな。


「「エリック…」」



この小さな体で。