鳴り響いたままのサイレン。

慌ただしい、病院の待合室。

――サッコが、倒れた。

ホテルの人に救急車を呼んで貰い、何とか運んだが、30分以上も掛かった。

最初に運ぼうとした病院は、診れないと断って来た。

どうやら、心臓が原因してるらしい。



「親父…」



母親に連絡をしたが繋がらず、親父にサッコの両親に連絡を取って貰うようにしたが、その後の報告がない。



「高槻さんのご家族は?」



「すいません。まだ…」



「そうですか…」



サッコを診てくれた医者が出て来た。

表情が暗く、どうしたら良いものか。