LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

重い体で、壁の手摺に掴まりながら、1階まで行き、タクシーに飛び乗った。

病気以前に、走る体力はどこにもない。

閉じてた携帯を開くと、電話は切れて居た。

私だけじゃなく、聖美も焦ってるのかも知れない。



「おつりはいりません」



学校へと着き、タクシーを降りた。

教室に行くと、小林先生を含めた、数人の男性教師陣が、エリックを取り押さえて居た。

エリックの視線の先には、知らない男の子。

同級生かすら、わからない。



「咲恵子…?」



「咲恵子じゃん!」



聖美たち3人が駆け寄って来て、支えられながら、教室へと入った。